日本では何かしらの運動やエクササイズを行っているフィットネス参加率が諸外国に比べてとても低く、健康維持に対する意識が低いことが分かります。
なぜ日本のフィットネス参加率は低いのか、また参加率が上がるとどのようなメリットがあるのかを詳しく解説します。
さらに、日本のフィットネス参加率を上げるポイントや現状の課題も解説するので、フィットネス系のビジネス関係者やこれからフィットネス業界に参入を検討している方はぜひ参考にしてください。
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ATカンパニー株式会社
ATカンパニー(株)は、FC営業代行支援会社として2009年に創業。
乳幼児教室「ベビーパーク」をFC店ゼロから、約2年半で220加盟開発。
放課後等デイサービス「ハッピーテラス」をFC1号店から、約2年で101加盟開発
現在は、女性専用AIパーソナルトレーニング「ファディー」の支援に注力し、全国に出店拡大中。
まず、外国のフィットネス参加率と日本のフィットネス参加率を比較してみましょう。国際ヘルス・ラケット・スポーツクラブ協会(IHRSA)の2018年の調査によるとアメリカのフィットネス参加率は20.3%、カナダは15.5%、イギリスは14.8%に対して日本のフィットネス参加率は3.33%。
カナダの5分の1、アメリカの6分の1にとどまっています。日本のフィットネス参加率の低さは、日本の医療制度やフィットネスジムの店舗数などが関係しているだけではなく、人々の運動やエクササイズに対する意識なども関係があるようです。
日本は医療制度が他の国よりも充実しているため、人々の健康維持に対する意識を低くしていると考えられます。
日本では誰もが健康保険に加入でき、診察代や薬代など医療費の個人の負担は1割〜3割で済みます。収入や年齢に関係なく、不調を感じたときにすぐに病院で検査や診察を受けられる点が魅力的です。
しかし、外国では日本のような健康保険制度がないところが多く、病院を受診したり救急車を呼んだりするだけで高額な医療費がかかってしまいます。そのため、なるべく自分で健康管理をしようという意識が生まれます。
日本人は具合が悪ければ病院に行けばいいという認識があり、充実した医療制度が国民の健康維持への意識を下げてしまっているのでしょう。
日本は国土が狭く建築費用も高いため、フィットネスジムの店舗数が限られてしまうこともフィットネス参加率を下げている要因の1つです。職場の近くや家の近くにフィットネスジムがあれば、気軽に立ち寄って少しの時間でも運動できます。
しかし、電車の乗り換えが必要だったり車で20〜30分運転しなければ近くにフィットネスジムがない場合は、運動する時間以外にジムへの往復の時間がかかります。定期的な運動のハードルが高くなってしまうことが考えられるでしょう。
日本人にとってフィットネスジムは、ダイエットの手段と考える傾向があります。フィットネスジムに通う理由が「体重を測ったら半年前より大幅に増えていたからフィットネスジムに通い始めた」、「夏までに5kg痩せたいからフィットネスジムの会員になった」という方も少なくありません。
ダイエット目的でフィットネスジムに通う多くの方は、自分の目標を達成できたら満足して辞めてしまう傾向があります。中長期的な視点で自分の健康を管理する意識が低く、長続きしない方が多く見られます。
それぞれ個人の目的や体調に合わせて行えるパーソナルトレーニングは、運動初心者でも無理なく体を動かせる最適なトレーニング法ですが、敷居が高いと感じている人も少なくありません。主に以下の要因が当てはまります。
・時間が決まっていて自分の都合いい時間にトレーニングを受けられない
・フィットネスジムの会費以外の料金が必要になるため本当に効果が実感できるのか考えてしまう
などなかなか一歩を踏み出せない人も多いようです。
フィットネス参加率が10%を超える国は、アメリカ、イギリス、フィリピン、フィンランド、韓国、デンマーク、カナダ、ドイツ、スペイン、インドネシア、香港など多数あります。
フィットネス率が上がると以下のメリットが生まれます。
・定期的に体を動かすことで食事が美味しくなる
・健康的な体作りに必要な栄養素にも意識が向く
・ストレス解消やリフレッシュ効果
・体が適度に疲労するため、質の良い睡眠が取れるようになる
日本でフィットネス参加率を上げることは、医療費の削減に繋がりフィットネス業界全体の活性化も期待できます。詳しく見ていきましょう。
定期的な運動をする人が増えれば、長く健康で過ごせるようになるため、医療費を削減できます。日本は少子高齢化社会。長生きしても、寝たきりや持病で生活が制限されてしまうのは健康とはいえません。
体を動かすことで筋肉や骨が丈夫になり、心肺機能も強くなります。また、食事に対する意識も変化します。人生100年といわれる時代、健康で長生きすることがとても重要です。
健康な人が増えれば、病院に行く回数が減るため日本の医療費削減に繋がります。
フィットネス参加率が10%を超える国は、アメリカ、イギリス、フィリピン、フィンランド、韓国、デンマーク、カナダ、ドイツ、スペイン、インドネシア、香港など多数あります。
フィットネス率が上がると以下のメリットが生まれます。
・定期的に体を動かすことで食事が美味しくなる
・健康的な体作りに必要な栄養素にも意識が向く
・ストレス解消やリフレッシュ効果
・体が適度に疲労するため、質の良い睡眠が取れるようになる
フィットネス参加率が上がると同時に、フィットネス事業も活性化できます。近年は、フィットネス業態も多様化しているため、総合的な大型フィットネスジムだけではなく、24時間ジムや女性専用ジムなどの小型のジムやパーソナルジムなども増えています。
フィットネスジムが生活圏内の通いやすい場所にあれば身近になるため、会員数も増加しやすいです。
フィットネス関係のビジネスは安定した発展が期待できます。
フィットネスの習慣が身につくことは、セルフマネジメント力が付くことになるため、ビジネスパーソンとしてのスキルアップが期待できます。
今まで運動をしていなかった人が、フィットネスジムに通うための時間を捻出し、スケジュールを組んで定期的に身体を鍛えるためには計画の立案や実行力が必要です。また、フィットネスジムに通うことで、痩せたり筋肉がついて引き締まったりと身体が変化するため、自分に対する自信も付きます。
フィットネスは、身体だけではなくビジネスパーソンに必要なメンタル面にも大きなメリットをもたらす点が魅力的です。
システムのデジタル化やニーズにあったサービスの提供を行うことで、日本のフィットネス参加率を10%まで引き上げることが現実的になります。具体的に説明します。
フィットネスジムのシステムをデジタル化しましょう。スマートフォンで手軽に入会手続きや予約が取れるようになれば、より多くの人がフィットネスジムを身近に感じられます。
受付の対応時間を短くしてスムーズにチェックインできれば、気軽にエクササイズができます。忙しくてなかなか予定が立てられない人でも通いやすくなる効果を期待できます。
フランチャイズの場合は、本部でシステム構築しているところも多いため、すぐに導入が可能です。
熟練したトレーナーやスキルの高いスタッフを配置し、その人にあった効率の良いトレーニング法を提案できるようにしましょう。
短い時間で手軽に運動ができ目にみえる効果を実感できれば、フィットネスの重要性に気づけるため、長く継続してくれるようになります。
質の高いトレーナーの採用や社内研修、資格取得のサポートなどを行うとよいでしょう。
働き方改革やインターネットによる多くの情報発信などにより、フィットネス業界においても人々のニーズは多様化しています。フィットネス人口を増やすには、多様化したニーズに対応し、満足度を高める充実したサービスの提供が必要です。
プログラムやマシンの種類を増やす、24時間ジム、女性専用ジム、コンビニジムなど生活スタイルや志向に合わせたフィットネスジムを作るなどの工夫が求められます。
フィットネス参加率を上げるには、会員が継続できるようサポートをしながら、ウェルネス業界や行政などと連携を取ることも必要になります。
医療法人が経営するディカル・フィットネスや、学校の部活動の民間委託、健康増進施設の設置など、業界を超えて手を取り合うことが大切です。
フィットネスジムの会員が継続できるようスタッフが声がけをしたり、マシンの使い方をレクチャーしたりしましょう。
フィットネス参加率が低い理由の1つに、運動を始めても長く続かないことがあげられます。とくにフィットネス初心者や運動に慣れていない人は、習慣にするまでが難しくフィットネスのメリットを感じられないうちに離脱してしまう人も少なくありません。新規会員には手厚いサポートができるよう体制を整えましょう。
一人ひとりの体力や目的にあったトレーニングを提供できるようにしましょう。ジムにあるマシンを一通りこなすだけのトレーニングは飽きてしまいます。
パーソナルトレーニングの料金を抑える、コアタイムのスタッフの数を増やして会員と密にコミュニケーションを取りながらメニューを作るなどの対応でパーソナライズ化を目指しましょう。
医療や介護など別の方向から健康に取り組む業界と連携するとよいでしょう。フィットネスとは業態が異なりますが、異業種だからこそお互いに提供できるノウハウや知識、技術があります。
適宜、情報交換を行いながらメディカル・フィットネスや学校での部活動、健康増進施設の設置など新しい取り組みを始めていきましょう。
フィットネス業界だけが、健康促進を掲げるのではなく、行政へも働きかけて日本人の健康に対する意識を高めていくよう盛り上げていきましょう。公共運動施設や運動コミュニティの設置などは、行政と連携しなければ実現できません。
外国では、行政が立ち上がったことで、フィットネス参加率が20年で4倍ほどになった国もあります。
国民の健康促進は国益にもなることを理解してもらい、1歩ずつ前へ進めていくことが大切です。
日本のフィットネス参加率は、外国に大きな遅れを取っており約3%しかありません。多くの人がフィットネスを生活に取り入れれば、長く健康で人生を楽しめるようになります。また、医療費の削減やフィットネス業界の活性化にも繋がるでしょう。
気軽にフィットネスジムに通えるようシステムをデジタル化したり、多様化するニーズに合わせたサービスや提案を行うことが大切です。