人材戦略は、企業が経営目標を達成するために必要な採用や育成、人事異動など人事面で行うことをいいます。人材戦略が的確に行われれば、社員のモチベーションが上がり、それぞれの持つ能力を最大限に活かせるようになり企業力も強化されます。
この記事では、なぜ人材戦略が必要なのかについてや人材戦略の立て方、成功させるためのポイント・課題点について詳しく解説します。
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ATカンパニー株式会社
ATカンパニー(株)は、FC営業代行支援会社として2009年に創業。
乳幼児教室「ベビーパーク」をFC店ゼロから、約2年半で220加盟開発。
放課後等デイサービス「ハッピーテラス」をFC1号店から、約2年で101加盟開発
現在は、女性専用AIパーソナルトレーニング「ファディー」の支援に注力し、全国に出店拡大中。
目次
人材戦力とは、企業が経営計画を実行するときに、人事面から採用や育成、人事異動などを行うことをいいます。経営戦略とは切り離せないものです。
的確な人材戦略を行うためには、全社員が戦略を把握した上で施策を取らなければなりません。
経営戦略は、企業が利益を上げて成長していくために立てられた中長期的な計画で基本的な方針です。経営戦略に基づいた人材戦略を行えば、社員もやるべきことを把握しやすくなるため、ストレスなく業務に取り組めます。
社員の生産性が上がることは、サービスや品質の向上に繋がり顧客満足度の向上に結びつくでしょう。
人材戦略に似た言葉に「戦略人事」があります。戦略人事とは、事業ごとの目標達成に向けて、人材業務を担うことです。
人材戦略は、企業の目指す経営目標の達成を目的としているため、戦略人事とは異なります。
人材戦略がなぜ重要なのかについて詳しく見ていきましょう。人材確保だけではなく、離職率の低下や幅広いバックグラウンドを持った人材の活用などを実現するためにも、人材戦略が必要です。
人材戦略は、企業が求める優秀な人材の確保に欠かせません。少子高齢化により労働人口が減り続けており、人材獲得の競争が激しくなっています。
技術力やスキルの高い人はより好条件の労働環境を求めて流出してしまうため、人材戦略をしっかり立てて、企業が獲得したい人材に対して魅力的な会社であることをアピールする必要があります。
新たな人材確保だけではなく、現在の社員に長く働き続けてもらうためにも人材戦略は必要です。休日や労働時間、休暇などの労働環境が悪い、または仕事が合わないと社員は離職して新たな転職先を探します。
労働時間の短縮をはかったり有給休暇や育児休暇の取得を推奨したり、福利厚生を充実させたりすることで、社員にとって働きやすい環境作りができます。離職率が低下すればしっかりと人材の育成ができるでしょう。
社員に長く働き続けてもらうことで、企業の利益も増えて、安定した経営を維持できるはずです。
インターネットやパソコンの普及によって、社内の業務もデジタル化が進んでいます。従来の製造や販売促進、営業活動などの業務以外にも、専門的な知識を持った人材が必要な仕事が企業内でも増えています。
プロのスキルを持った人材を中途採用で確保したり、社内で育成したりするための戦略を立てる必要性があるでしょう。
世界経済が発展する中で、在日の外国人労働者も増えています。少子高齢化が課題となる日本においても、外国人労働者の受け入れは企業にとって早急に対応すべき課題といえます。
グローバルな人材を確保し、社内で活用できる仕組みを作ることも人材戦略の重要な目的です。
人材戦略は採用・育成・配置・定着の4つで構成されています。この大切な4つのポイントについて詳しく説明します。
人材戦略において、もっとも重要といえるのが採用です。企業が求める人材を採用できれば、育成が最低限で済むでしょう。また、配置を調整することで、企業への貢献も期待できます。
ここで大切なのが、ただ経歴やスキルが高い人材を採用すればいいというわけでない点です。自社で活躍する人材はどのような人物なのか具体的にイメージしましょう。
新事業立ち上げに際して採用を行う場合は、現在社内にいる人材と事業を成功させるために必要な人材について検討します。成功に必要な理想の人材を採用するために、採用条件を見直したり、合致する人材へのアプローチを積極的におこなったりするとよいでしょう。
採用者が自社で活躍してもらうために重要なのが育成です。中途採用の場合は、すでにスキルを積んでいる人も多いですが、自社の環境やさまざまな状況に対応してもらえるよう、研修やさらなる資格取得のサポートなどを行いましょう。
人材育成にはコストや時間がかかります。しかし社員のスキルがさらに高くなれば、長期に渡って企業に貢献してくれるでしょう。
研修制度だけでなく、資格取得のサポートや自己啓発制度なども充実させましょう。社員が能動的に学んだり成長したりするための環境や制度を整えていくことが大切です。
人材が持つスキルや能力をいかんなく発揮してもらうために、その人にマッチした環境に配置しましょう。欠員を埋めるだけではなく、経営戦略を達成するために有効な人材を適所に配置することが大切です。
適材適所への配置が行えると、今まであまり評価されていなかった社員が高いパフォーマンスを発揮するようになることもあります。
採用した人材を育成し適材に配置した後は、社員が定着することを目指しましょう。社員が配置ミスによりストレスを抱えたり、働く職場環境が悪いと感じたりすると離職してしまう可能性があります。
コストと時間をかけて育てた人材に長く貢献してもらうためには、社員が定着してくれるような取り組みが必要です。まずは採用、育成、配置の連動性を高めた人材戦略を立てるとよいでしょう。
人材戦略の立て方について4段階に分けて詳しく解説していきます。
まず、企業にマッチした人材を確保するために企業の経営戦略を把握しましょう。市場での課題や環境を調査し、現在、企業が市場の中でどのようなポジションなのかさらに経営状況も確認します。そして経営戦略の目標を理解しましょう。
具体的な数値やデータをもとに分析してみてください。現在抱えている課題や将来のビジョンなども明確にできるとよりよいでしょう。
企業にとって今、必要な人物像をイメージして定義します。スキルや経験だけではなく、求める人材のマインドなども定義しましょう。
さらに役割や人数なども具体的に設定してください。人数を決めるときは、繁忙期や閑散期などは考えず、通年の社員数を基準に検討するとよいでしょう。
経営戦略を把握すると、企業の現状も見えてきます。現状と理想のギャップは何かを見極め、改善策を人材戦略の面から考えましょう。
現状改善を目標にすると、どのような人材が何人必要か、どの部署に配置すべきかが明確になってきます。まずは、現社員のスキルや、人材が不足している(または過剰な)部署などを洗い出してみてください。
目標が定まったら実現するためのプロセスを考えていきます。具体的には、採用方法や研修制度または教育プログラムの変更、人員配置の見直しなどを行うとよいでしょう。
プロセスは、従来のやり方を大幅に変えるのではなく、現時点で実行できると考えられる計画だけにしておきます。大きな目標を実現するための計画を急に導入しようとすると、取り組みの内容が非現実的になるリスクがあります。
現状を踏まえて、経営状況を少しずつ改善できるプロセスを考えましょう。
人材戦略を成功させるために3つ意識すべきことをお伝えします。
タレントマネジメントとは、個々の社員のスキルや実績をデータで管理し、人材の特徴を見える化したものです。社員が最大限のパフォーマンスが発揮できるような環境を整備するときに役立ちます。
社員に活躍できる場を与え、適切な評価が得られるようになれば、社員のモチベーションも上がるでしょう。
人材戦略を実行する際には、ダイバーシティ(多様性)を大切にしましょう。性別や年齢はもちろん、人種、国籍、宗教、性的指向、障害の有無など、多様な人材が一緒に働き活躍できる企業作りを目指してみてください。
また、働き方や雇用形態なども多様化して多くの人材がそれぞれのライフスタイルに合わせて働ける環境を整えましょう。
プロフェッショナル人材とは、企業の成長を具現化していく上で貢献してくれる人材をいいます。
プロフェッショナル人材戦略を導入することで、積極的な事業活動を行えるようになるため、企業価値の向上や成長につながるでしょう。
プロフェッショナル人材戦略は、日本政府も推進している戦略です。
楽天グループでは、採用・育成・定着を構成とした「Back to Basics Project」を実施。さまざまなバックグランドを持つ人材を採用しダイバーシティ化を進めています。
社内託児所の設置やポジションごとの研修・ミーティングなどを行い、自己啓発やキャリアアップのためのオンライン図書館の提供なども行っています。
さらにフレックスタイム制や時差勤務制度、在宅勤務制度などを導入し柔軟な働き方を推奨している点も注目すべきでしょう。
ソニーでは「人材獲得」「人材育成」「社員エンゲージメント」3つの柱とした人材戦略を実施。人材獲得では完全実力主義を評価し、育成では多様なバックグラウンドやスキルを持つ社員同士が交流を持てる場を提供しています。
また、社員エンゲージメント(社員の愛社精神や愛着心)を高めるために社員への意識調査を実施して、社員が定着する組織への改善に活かしています。
人材戦略とは、企業の経営目標達成のために、人事面から戦略を立て実行することをいいます。採用した人材を育成し、適所に配置、さらに社員の定着を目指します。
経営戦略とは整合性を取りながら、人材戦略を立てる必要があるでしょう。多様性を受け入れ、タレントマネジメントやプロフェッショナル人材戦略を導入することで有効な人材戦略が行えます。