ATカンパニー株式会社
前代表取締役
浅野 忍土
フランチャイズ・ストラテジスト、浅野忍土が監修。
銀行、ITベンチャーを経て、FCコンサルティング会社であったベンチャー・リンクへ入社し、フランチャイズビジネスに携わる。
8年間、チェーン展開支援を主とした業務に従事し、牛角、しゃぶしゃぶ温野菜、土間土間、銀のさら、タリーズ、カーブスなどを多店舗展開。
結果1,500店舗以上のチェーン展開に関与。
その後、独立し、ATカンパニー(株)を創業し、FC展開を支援。
さらには女性専用AIパーソナルトレーニング「ファディー」FC本部を設立し、自らFC本部も経営している。
目次
フランチャイズ本部の成長段階で、とるべき戦略は異なると考えられます。そこで、弊社がこれまでに様々なフランチャイズ本部の戦略を分析し、見えてきた戦略ステップに関して、解説させていただきたいと思います。
■フランチャイズ本部の成長戦略4つのステップ
先にお伝えしておくと、このステップが全てではありません。しかし、それぞれの段階での成長に限界が来た時、次のステップに移行すると考えています。
ステップ1から2へ移行することは、当然、フランチャイズ本部としても、資金力のある法人加盟を強化したいと考えるものです。経営スキル、体制から考えても、当然、個人よりも法人の方が優れていることは確かです。
次に、ステップ3への移行は、そのフランチャイズチェーンが一定の店舗数になり、店舗実績のバラツキが出る段階に起こり、経営力の弱い店舗や実績の乏しい店舗は経営力の高い加盟店に取って代わられることが通常です。さらには経営力のある企業は、多店舗展開を加速させ、さらに強い加盟店となるフェーズが3の段階です。
最終的に、チェーン展開上、店舗展開の余地がある種の限界に達した時、一部のフランチャイズ本部の中には、ステップ4へ移行する本部もあります。それは、フランチャイズ本部として、十分な体力と人材体制が整った場合、契約期間の移行と共に、加盟店の契約更新を認めず、加盟店の撤退と共に、直営出店をバランスよく行い、直営化していく事です。ただし、前提として、本部の収入がロイヤルティー中心で、そのロイヤルティー収入よりも、店舗収入の方が高く、結果、直営展開した方が本部として収益性が高くなるという場合に限り、このステップ4へ移行する戦略をとるでしょう。
全ては経営者の価値観、好みによる選択の結果です。成長ステップは戦略立案の参考にしていただきたいと考えております。