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DMM.COMに見る多角化戦略

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ATカンパニー株式会社
前代表取締役

浅野 忍土

フランチャイズ・ストラテジスト、浅野忍土が監修。
銀行、ITベンチャーを経て、FCコンサルティング会社であったベンチャー・リンクへ入社し、フランチャイズビジネスに携わる。
8年間、チェーン展開支援を主とした業務に従事し、牛角、しゃぶしゃぶ温野菜、土間土間、銀のさら、タリーズ、カーブスなどを多店舗展開。
結果1,500店舗以上のチェーン展開に関与。
その後、独立し、ATカンパニー(株)を創業し、FC展開を支援。
さらには女性専用AIパーソナルトレーニング「ファディー」FC本部を設立し、自らFC本部も経営している。

目次

DMM.COMに見る多角化戦略

ビートたけしさんがCM出演しているDMM.COM。皆さんもご存知の企業だと思います。多角化を成功させている企業の代表例として、DMM.COMは最適な企業なのではないでしょうか。
今回はDMM.COMを例に、多角化戦略に関してお伝えしたいと思います。

近年のDMM.COMの業績は売上にして、1358億円(15年12月期)。4年前の2011年の業績と比較して、2.6倍もの成長を実現しています。

取り組んでいる事業分野は多種多様です。

MVNO事業、ロボット事業、FX・証券事業、ゲーム事業、通販事業、英会話事業、3Dプリント事業、太陽光事業、VR動画事業など多岐に渡っています。
最近では、アフリカ進出も始めており、事業意欲の高い企業であると言えます。

DMM.COMはAV関連事業で生み出した利益を再投資することを続け、多角化を成功させています。
事業成功の秘訣として、収益の再投資を続けること、まず重要な鉄則がここに見えてきます。

収益の再投資は商品と市場との視点で見ていけば、
(1)既存商品を既存市場に浸透させる
(2)既存市場に新たな商品を投下する
(3)既存の商品を新たな市場に投下する
(4)新たな市場に、新たな商品を投下する
いずれかの方向性へ向けられます。
DMM.COMはまさに(1)から(4)を行い、特に近年は(4)を強化することで成長を実現していると言えます。

なぜこれほどまでに、新規事業が成功しているのか。外部的な分析のため、概論的な判断になりますが、DMM.COMは、参入市場の選定に今後成長性が見込まれる(人間の欲に訴えるともいえる)分野を選定していると言えます

新規事業を成功させる上で、前提として、
① 安定した収益、キャッシュを稼ぐことのできる事業分野を作り上げていること
② 既存の安定事業へ常に危機感を持ち、新たなことに挑戦し続けていること

その上で、
③ 新たな事業に挑戦することで、事業経験・ノウハウを蓄積していること
④ 常に改善の努力を怠らないこと
⑤ 社長自らが外部の情報を収集し、外部人材、企業からの提案をどんどん受け、
  直接新規事業投資を判断していること

⑥ 撤退も素早く行うこと
が挙げられます。

上記以外にも人材に起因する部分も多分にあると思われますが、人材に関しては内外問わず優秀な人材を活用していると思われます。さらに言うと、⑤に掲げたジョイントベンチャーをうまく活用しています。外部人材や企業の情報、アイディアをうまく活用し、新規事業分野へ挑戦しています。

推測ですが、同時に過去多くの事業に失敗してきた経験も持っていると思われます。その経験が次なる新規事業の成功の布石になっているのではないでしょうか。

結局の所、挑戦し続けなければノウハウも蓄積されませんし、そもそも成功すらありません。
挑戦することで、収益という果実を得ることが出来るのだと思います。
挑戦なくして存続なし。
まさに挑戦こそ、企業存続の絶対条件ではないでしょうか。今一度、挑戦をキーワードに自社を見直してみてはいかがでしょうか。

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