近年の少子高齢化にともない、企業が安定して事業活動を行うためには従業員の健康管理も重要である認識が高まってきました。健康経営を取り入れる企業も増えて、従業員の健康を企業がサポートする考えも一般的となっているのではないでしょうか。
なお、健康経営を導入することによって起業や従業員が得られるメリットはさまざまです。本記事では、健康経営のメリットや導入する方法、必要性や目的などを解説します。
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ATカンパニー株式会社
ATカンパニー(株)は、FC営業代行支援会社として2009年に創業。
乳幼児教室「ベビーパーク」をFC店ゼロから、約2年半で220加盟開発。
放課後等デイサービス「ハッピーテラス」をFC1号店から、約2年で101加盟開発
現在は、女性専用AIパーソナルトレーニング「ファディー」の支援に注力し、全国に出店拡大中。
目次
健康経営とは、企業が従業員の健康を管理して、改善を目指す取り組みのことを言います。今までは、従業員の健康管理は従業員自身で管理するという考え方が一般的でした。
しかし従業員の健康が損なわれると、企業の事業活動にも影響が出ると分かったため、企業にとって重要な課題である認識が広まりました。
組織が従業員の健康管理を促進させることで、生産性の向上や業績アップの効果を期待できます。日本の政府も推進しており、経済産業省が健康経営銘柄制度を設けたり健康経営優良法人認定制度ができたりしています。
健康経営の導入でさまざまなメリットを得られますが、どのような手順で導入していくのか疑問を持つ企業も多くあるのではないでしょうか。健康経営の導入方法を3つのステップに分けて解説していきます。
健康経営に向けた基本的な方針が決まったら、社内外へ告知してから社内で健康経営への取り組みを始めます。告知を代表取締役といった会社経営における重役が行うことで、従業員の取り組む姿勢も本気になりやすいでしょう。なお、社内外に告知するときは次の方法がおすすめです。
組織として健康経営に取り組む意思をしっかり伝えることで、全従業員への行動を促進できます。また、社外へ健康経営のPRを取り入れることで、クリーンな会社であることをアピール可能です。「働きやすい会社」といったイメージが定着すれば、社会的な信頼を得られたり、会社のブランド力が向上したりするなどのメリットを期待できるでしょう。
健康経営の方針が決定し社内外へ告知をしたら、健康経営に関する専門部署を立ち上げましょう。経営者以外に産業医や健康保険組合、労働組合などと連携する必要があります。自社が加入する協会けんぽや健康保険組合にも健康経営の導入に関する相談をしておくと、スムーズに導入できるかもしれません。
専門部署内では、健康経営優良法人の必須項目でもある健康づくり担当者を任命します。チームメンバーは、外部の研修や他社の成功事例などを参考にして健康経営に関する知識を深めてください。
また、企業内の課題となる部分を明確にしておくと、社内で課題解決の方法を共有しやすくなります。課題を明確にするには、社内外のさまざまな資料やデータの活用がおすすめです。部署ごとの残業時間や有給休暇の消化率、体調不良による欠勤者数などのあらゆるデータで課題が明確になるでしょう。
課題を明確にした後は、解決に向けて社内全体で実行し、評価しましょう。例えば、残業時間が長いために健康に問題があるといった課題が明確になっているなら、残業時間減少に向けて社内全体で取り組むことが重要です。
多くの企業が残業時間を減らすための努力を実行しておりますが、主に下記の方法があげられます。
例えば、金曜日は18時までに完全退社させるルールを徹底できると、社内全体の残業時間を減らせる可能性が高くなります。ただし、自宅でのサービス残業を発生させない対策も必要となるでしょう。
また、課題を実行した後は、専門部署による評価と社内の評価の共有が必要です。課題解決に向けた社内全体の行動は正しいのかどうかを、アンケートで調査してみるのもおすすめといえます。もし課題解決に向かっていないのなら、別の方法での課題解決を考案するべきでしょう。
健康経営を導入することで、主に3つのメリットを得られます。
新しい取り組みの開始時は、得られるメリットを意識して伝えることで、従業員からの理解を得やすくなります。経営陣から積極的に健康経営で得られるメリットを探し、導入する目的を従業員へ伝えましょう。ここでは主に得られるメリット3つを詳しく解説します。
企業が健康経営に取り組み、従業員の健康状態がよくなれば、生産性の向上を期待できます。心身ともに健康な人が社内に増えれば、活気が出てパフォーマンスも上がるでしょう。
さらに、従業員の高齢化が進んでも長く企業に貢献してくれる可能性が高まるため、人材の確保に困りません。
健康経営によって従業員の健康が維持されれば、医療費の削減に繋がります。病気や不調による長期休暇を削減でき、欠勤率の低下を期待できるでしょう。
とくに、健康保険組合に加入している企業は、医療費を抑える努力を積極的に行うべきです。もしも健康保険組合が解散してしまうと独自の給付を受けられなくなります。
さらに、健康保険組合が解散して協会けんぽに加入する場合は、組合よりも保険料が高くなります。「従業員の健康」の維持で医療費を削減し、企業の利益向上に繋げましょう。
健康経営ならではのお得な補助制度を活用できます。健康経営優良法人や健康宣言事業などの認定を受けると、保険会社からの保険料割引や、自治体あるいは金融機関による金利優遇を受けられます。
また、各自治体のホームページや広報誌への企業名掲載などのインセンティブを受けられる点も魅力的です。
健康経営にはさまざまなメリットがありますが、デメリットも把握しておく必要があります。主なデメリットは次の3つがあげられます。
健康経営は、NPO法人「健康経営研究会」の登録商標であることを認識しておきましょう。ホームページやプレスリリースなどで健康経営の言葉を使う際は、事前に健康経営研究会へ連絡しなければいけません。
健康経営の言葉の後ろに「®」を付けて表示し、「健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。」という注釈を記載を忘れず行いましょう。
健康経営の効果検証をするために正確なデータを集めなければいけません。しかし健康経営を導入した直後は、なかなか成果が見えにくいこともあるでしょう。
長期的に全体で取り組む必要があるため、従業員一人ひとりでは効果を感じにくい場合があります。長期的に継続することで成果が出るものといった認識を持って取り組むことが必要です。
取り組むべき課題で効果が出やすいデータを事前に分析しておくことで、収集作業を楽にできます。健康経営を目指していく上で従業員への負担を極力抑えることも意識しましょう。
健康経営の導入で従業員の取り組むべき課題が増えることがあります。従業員の中には、課題が増えてストレスを感じる人が出てくるかもしれません。健康経営の大切さやメリットなどは社内のトラブルを防ぐためにも従業員にしっかり理解してもらいましょう。
健康経営が必要な理由として、従業員の減少や高齢化による人手不足問題があげられます。現在日本では少子高齢化にともなう人口減少が進んでいます。健康面への意識の低い企業が増えてしまうと、働き手不足をさらに促進させる結果に繋がりかねません。
以上の理由を踏まえた、健康経営を導入する目的は次の3点です。
健康経営の導入において、従業員の理解を得るには目的を明確化させることです。ここであげた目的以外にも、企業ごとにそれぞれ導入する目的はあるでしょう。また、明確化させた導入の目的は必ず社内全体へ共有しておくことが大切です。
深刻な労働者不足にあえいでいる業界で人手不足問題を解消するために健康経営が必要です。現在少子高齢化にともなう人口減少が進んでいたり、AIに仕事が代替されつつあるとはいえ、人の手の必要な業務が多くあったりするため、多くの企業が人手不足に悩まされています。
例えば、2024年問題が取り上げられている物流業界では、ドライバー不足が深刻化しています。労働者の高年齢化も進んでいるため、将来的にはさらなる労働者不足が見込まれているのです。健康経営によって、高齢の人でも働きやすい環境を整えることで、企業のイメージアップにも繋がります。
働きやすさをアピールできれば、若い年代の労働者も雇用できるチャンスが広がります。人手不足問題の解消は企業にとって大きな利益をもたらす可能性が高いため、取り組む意義は十分にあるでしょう。
健康経営の導入で、企業全体の利益向上を目指せます。従業員が体調不良で欠勤したり、睡眠不足による集中力低下があったりすると、結果として労働効率は下がります。無理のない健康的な働き方を推進していくことで、従業員のモチベーション維持にも繋がるでしょう。
従業員の健康が、会社にとって一番の利益であることを押さえておくことが大切です。
健康経営を導入すると、ワークライフバランスの向上を見込めるでしょう。例えば、残業が多い人は仕事重視のライフスタイルになるため、私生活がおろそかになる可能性があります。健康に暮らすためには、私生活にも気をつける必要があります。
例えば、仕事が忙しくて料理をする時間がなければ、コンビニ弁当やカップ麺など、偏った栄養バランスの食事になりやすいです。一方で私生活において時間に余裕がある人なら、ストレスをためにくく、運動する機会なども得やすいでしょう。ワークライフバランス重視の働き方を目指すことで、従業員も意欲的に労働してもらえる可能性がアップします。
健康経営を導入するときには、すでに導入している他社の事例を参考にして取り組むことがおすすめです。また、明確な目的を持っておくことで、従業員の理解も得やすくなります。
従業員が健康経営の導入に関して負担に感じている場合は、改めて社内で健康経営の導入におけるメリットを共有してみましょう。社内全体で取り組まなければ、意味のない健康経営になりかねるため、経営陣が積極的な姿勢を見せることが重要です。