新規事業に取り組む際は、自己資金のみでまかなえる場合でも受けられる補助金や助成金があれば活用すべきです。新規事業が軌道に乗るまでには運転資金も必要です。自己資金がぎりぎりの場合は、是非とも融資を積極的に活用しましょう。
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今、注目のビジネスモデル。
ATカンパニー株式会社
ATカンパニー(株)は、FC営業代行支援会社として2009年に創業。
乳幼児教室「ベビーパーク」をFC店ゼロから、約2年半で220加盟開発。
放課後等デイサービス「ハッピーテラス」をFC1号店から、約2年で101加盟開発
現在は、女性専用AIパーソナルトレーニング「ファディー」の支援に注力し、全国に出店拡大中。
目次
個人や法人が新たに事業を興すことに対して、補助金や助成金などの支援策があります。こちらでは、3つの制度を紹介します。
それぞれの特徴を見てみましょう。
「創業者向け補助金・給付金」は、北海道から沖縄まで各地方自治体が様々な補助金・支援金を設定しています。女性経営者や若手経営者、空き店舗活用など、実に様々な制度があります。
補助金・支援金は、返済が不要なケースが多いので、事業を興す地域の情報は必ず確認しましょう。
「事業再構築補助金」は、コロナ災禍で影響を受けた事業者を対象に、会社を立て直すのにかかる費用の一部を補助する制度です。新分野展開、事業転換、業態転換、もしくは事業再編などにチャレンジする企業が対象です。
取組む新事業の規模にもよりますが、数百万から1億5千万まで、返済義務のない「補助金」を受け取ることができます。積極的な活用をお勧めします。
創業間もない企業や新規会社を興す時点では、担保でもない限り民間の金融機関からの融資承認は難しいものです。そこで、新たな起業や独立を考える企業家の為に国(財務省)が立ち上げた特殊法人が「日本政策金融公庫」です。
日本政策金融公庫は、事業を興す人や企業に対し、事業を立ち上げるために必要な資金を融資してくれます。創業者向け融資は、新規に事業を興す、もしくは事業を始めて7以内の個人や企業を対象としていて、最大7200万円(運転資金4800万、設備資金2400万)まで融資を受けられます。
返済期間も運転資金は7年、設備資金は20年なので、それまでに事業を軌道に乗せて返済できれば良いのです。
ただし、この融資を受けるには、担保もしくは第三者の保証人が必要です。
これに対し「新創業融資制度」は、担保も保証人も起業者の個人保証も不要。対象となるのは、新規に事業を興す、もしくは事業を始めて2期以内の個人または企業です。融資の上限は3000万円ですが、審査が早いのでタイミングを逸することなく事業に取組むことが可能になります。
補助金や助成金などの制度を踏まえた上で、新規事業に取組む際の「資金調達」について整理してみましょう。
3つの項目に分けて解説します。
「ビジネスは、投資資金をいかに効率的に回収するか」がポイントです。事業には、投資資金を回収できないリスクもあれば、投資資金を回収しより多くのリターンが期待できるチャンスもあります。
では、新規事業の立ち上げに必要な「投資資金」は、どのように調達すれば良いのでしょうか。
など、様々な調達方法がありますが、まずは「どの程度の資金調達が必要なのか」をしっかり考えることが重要です。「どこからいくら調達しなければならないか」が見えないと、調達資金が足りないリスクが高まります。
必要な資金とは、大きく分類すると「開業準備資金」「運転資金」「生活資金」の3つです。
新規事業を興す方の中には、開業準備資金はしっかり計算して準備しているにもかかわらず、運転資金の手配が不十分で、事業の継続を断念せざるを得ないケースが散見されます。創業3年の企業が50%は倒産している現状からも、運転資金の手配が重要なことがわかります。
事業計画を立てるときは「楽観的計画」と「悲観的計画」を立て、「悲観的計画」に基づいて運転資金を準備することが必要です。そのためにも事業計画を綿密に練らなければなりません。事業計画のでき次第で、融資の可否も左右されます。
「事業計画」を作成したら、先に紹介した「政策金融公庫」の創業者融資を活用するか、信用保証協会を活用した「制度融資」を活用して資金調達に動きます。
なお「生活資金」は、独立開業、個人で起業する場合に必ず確保しなければならない資金です。
ここでは制度融資(信用保証協会融資)について説明します。信用保証協会とは、各地方自治体が金融機関に貸付用の資金を預け、保証人を見つけることが困難な中小企業に対して保証人代わりになってくれる制度です。
もし事業がうまく行かず金融機関に返済できないときは、信用保証協会が金融機関に返済してくれます。ただし、借入が無くなるのではなく、金融機関との返済期間よりも長い時間をかけて、信用保証協会に返済することになります。
担保や保証人が用意できない場合、信用保証協会は、力強い味方です。
さて、創業者融資にしても制度融資にしても、十分な資金を手配する上で「運転資金」の手配が重要であることは先にお話しました。
「悲観的計画」に基づいて準備する時の考え方として、必要以上に悲観的になる必要はありませんが、計画の根拠となるデータをどこから導き出すかによっても大きく違ってきます。
FCに加盟する場合は、本部が提示するシミュレーションだけでなく、実際にOPENしている店舗の中で、上手くいっていない店舗のデータ(実際の収支、その店舗のマーケットデータ、本部シミュレーションとの相違点など)を吟味しましょう。同様のことが自分の店舗で起きた場合に必要な資金を試算し、どれだけの資金が必要かを考えます。
独自に新規事業を立ち上げる場合は、類似の業態や事業の収支を参考に、売上予測、経費予測などから事業の収支計画を立てることが重要です。また、どのラインで事業を撤退するかも合わせて検討します。撤退した場合に発生する費用も含めて、返済できる金額であるかを考慮して資金調達していきましょう。
「借入する」ということは「返済する」ということです。金融機関や保証協会は、「返済できない」企業には資金は貸し出しません。自信をもって事業に取り組み、あらゆる対策を打って事業を成功させ、「借入」を「返済」し、さらに事業資金を「借入」して、事業を拡大する。あえて言えば、「返済」さえできれば「借入」はいくらあってもいいのです。
事業計画をしっかり考え、正しい借入と返済で、新規事業を成功させ、事業拡大を目指しましょう。