無人のフィットネスジムを経営しようと考えると「十分な利益はでるのか」「防犯対策はどうすればいいのか」と悩みますよね。ライフスタイルの多様化によって顧客ニーズを増している無人フィットネスジム。人件費の少なさから、低リスクで開業できる点でも注目を集めています。
この記事では、無人フィットネスジム経営におけるメリット・デメリットを解説していきます。合わせて、経営を成功させる上で大切なポイントにも触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
◾︎AIを使う次世代型女性専用フィットネスクラブが話題に!
わずか4年で110加盟を突破した
今、注目のビジネスモデル。
ATカンパニー株式会社
ATカンパニー(株)は、FC営業代行支援会社として2009年に創業。
乳幼児教室「ベビーパーク」をFC店ゼロから、約2年半で220加盟開発。
放課後等デイサービス「ハッピーテラス」をFC1号店から、約2年で101加盟開発
現在は、女性専用AIパーソナルトレーニング「ファディー」の支援に注力し、全国に出店拡大中。
目次
フィットネスジムは、この10年でかつてないほどに成長しました。「レジャー白書」によると、2010年から2019年まで右肩上がりの成長を続けたフィットネスジムは、5,000億円に近づくほどの市場規模を誇りました。また経済産業省「フィットネスクラブの動向」によれば、2022年の売上高は前年比で13ヶ月連続増加しました。とくに現在は、従業員やトレーナーを店舗におかない、無人フィットネスジムが注目を集めています。
過去数年におけるジム業界の動向をみると、総合型ジムやスポーツジムといった通常のジムは、2018年をピークに3割以上の会員減少と、苦戦を強いられました。一方で、無人フィットネスジムをはじめとする新たなスタイルのフィットネスが成長を遂げました。
人件費を抑えながら24時間経営が可能な無人フィットネスジムは、昨今のジム利用者にとって重要な「通いやすさ」というニーズを満たすことが可能です。フィットネスジムの需要は増え続けているため、今後、無人フィットネスジムはさらなる成長が予想されています。
フィットネスジムの無人運営には、一般的なジムに比べて下記のメリットが得られます。
・人件費を抑えられる
・人手不足に悩まない
・必要な設備が少ない
・24時間営業が可能
・顧客データの収集が容易
・顧客ニーズが増している
代表的なメリットを1つずつ見ていきましょう。
無人フィットネスジムは、人件費を大幅に抑えられる点が魅力的です。ジム経営には、一般的な従業員だけでなく、トレーナーやインストラクターを雇う必要があります。優秀なトレーナーであるほど賃金が高く、コストを圧迫してしまいます。
無人ジムであれば、受付やトレーナー雇用を最小限に抑えることが可能です。さらに、セキュリティシステムを充実させることで、夜間の受付や見回りにかかる人件費も必要ありません。ジム経営におけるランニングコストとしてもっとも大きな人件費を削減できるため、少ないリスクで利益の拡大が可能です。
無人フィットネスジムは、ジムに限らずほぼすべての業界が頭を悩ませる「人手不足」にも強い運営形態です。人手不足問題は今後さらに拡大するため、これからの時代に強い運営形態としても、無人ジムが注目されています。
無人フィットネスジムには、トレーニングマシンをはじめ、導入する設備が少なく済むメリットがあります。ユーザーがひとりで利用できるため、インストラクターがついていなければならない設備や、高度なトレーニングマシンが必要ありません。
基礎的な性能を持ち、ネットワークで管理できる設備を揃えるだけで、運営できます。トレーニングマシンをレンタルすれば、導入コストを抑えることが可能です。
無人フィットネスジムは夜間の人件費を気にする必要がないため、低コストで24時間営業を実現できます。
ライフスタイルが多様化した現代において、24時間営業は、マンツーマンのジムや大規模なスポーツジムのような、営業時間が限られる形態では取り込むことのできなかった顧客層を引き込むことが可能です。
無人フィットネスジムは、店舗における管理のほとんどをシステム上で行うため、顧客データの収集が容易です。有人のジム経営において顧客データを収集するには、専用のソフトウェアを別途導入する必要があります。
しかし、顧客の入退出時間や利用状況、時間帯ごとの客層などの、経営において重要な情報がシステムに記録されます。顧客データを分析し、運営の改善や新サービスの発案に繋がるため、より高度な経営が可能です。
無人フィットネスジムは、ジム業界の中でも特に需要を増している形態です。昨今の健康ブームによって、フィットネスジム自体の需要が増加しました。
実際に、無人ジム大手の「エニタイム」では、2015年度は200未満であった店舗数が、5年間で4倍以上に発展しました。他企業もこれに追従しており、顧客ニーズの大幅な増加が分かる事例です。
多くのメリットによって、拡大を続ける無人フィットネスジム。しかし、無人フィットネスジムの経営には、デメリットも存在します。1つずつ見ていきましょう。
無人フィットネスジムは、需要の増加に合わせて現在も拡大を続けているため、すでに多くの競合が存在することを覚悟しなければなりません。とくに大手企業は資本力とブランドを活かした展開を進めているため、新規に参入した個人が、競争に勝つことは難しいと言わざるを得ません。
これから無人フィットネスジムの経営をはじめる場合は、大手企業にはない独自の特色を打ち出す必要があります。競争を少しでも避ける方法として、フランチャイズに加盟して大手グループの看板を掲げることも有効です。
「通いやすさ」を特色として、最低限の設備で運営する無人フィットネスジムは、必然的に低価格設定が必要です。
一般的なジムと比べて客単価が低く、現在は競合どうしがキャンペーンやプランなどを駆使して価格競争をしているという現実があります。
業界における利用料金の低下は今後も続いていくことが予想されています。無人フィットネスジムは、低リスクではじめられる一方で、大きな利益を得ることは困難です。どのようにして継続的な利益を産み出すか、経営者の手腕が問われます。
無人フィットネスジム経営において最大の問題とも言えるのが、セキュリティ上の懸念です。会員以外が店舗に出入りできないシステムの整備や、ロッカールームなどでの盗難を防ぐための防犯カメラの設置など、万全のセキュリティ対策が求められます。
強盗による金銭的な被害を防止するために、電子決済のみの支払いの対策がおすすめです。
セキュリティ上の懸念と合わせて、無人フィットネスジムには管理が行き届かないという問題もあります。無人での運営は、非会員の利用者が会員と一緒に入店する「相乗り」行為や、顧客どうしのトラブルに対応することが難しいです。
無人フィットネスジムの経営では、セキュリティ対策と合わせて、入退室管理や予約システムなどの確固としたシステムを構築しましょう。
需要が高く、低コストではじめられる無人フィットネスジムは一方で、競争が激しく、大きな利益を得ることが難しい形態でもあります。無人フィットネスジム経営を成功させる上で大切なポイントを、いくつか解説します。
現在の無人フィットネスジムは競争の激しい業界なため、競合との差別化が必要不可欠です。新規に参入して経営を成功させるためには、競合との差別化を図れる特色を打ち出しましょう。他社の状況を徹底的に調査し、時間的・労力的コストを十分にかけた上で、長期的な視点を持って経営戦略を立てることがポイントです。
優れたシステムの整備は、無人フィットネスジム経営の要になります。ネット予約や事前清算、入退室管理といった業務上のシステム、セキュリティシステムも重要です。
無人ジムでは、エントランスからロッカー、トレーニングルームまで監視カメラを設置することが推奨されています。また、予約した人だけがトレーニングルームに入室できるようにするための遠隔ロックシステムなども大切です。最近はスマートフォンアプリで予約から退店まで完結するものや、顔認証システムによるセキュリティなども登場しています。
人件費をはじめとするランニングコストの低い無人ジムですが、経営を成功させるためには、初期投資としてシステム整備に十分なコストをかけなければなりません。
セキュリティシステムの整備をはじめ、安全面への配慮が大切です。利用者どうしのトラブル防止のために、利用者が鉢合わせにならない仕組みや十全な盗難防止対策の実施などが、無人ジムでは重要です。
安全面配慮のアピールは、顧客が安心して利用できます。
最小限のトレーニングマシンで経営が成立している無人フィットネスジムですが、競合との差別化のためには、設備を充実させることも有効です。実際、無人ジムであってもハイレベルなマシンを安価に利用できることを売りとするものや、サウナ施設を併せ持つものまで、さまざまな形態が登場しています。
競争の激しい業界であるため、これからの無人ジムは、設備への注力も重要な要素となっていくことが予測できます。
低い料金で24時間いつでも利用できることから、顧客ニーズを増している無人フィットネスジム。無人フィットネスジム経営の最大のメリットは、人件費を大幅に抑えられる点です。人手不足解消、24時間運営が可能、顧客データの収集が容易などのメリットもあります。一方で、業界での競争が激し、客単価が低い、防犯・管理が困難といったデメリットも存在します。
無人フィットネスジム経営においては、競合との差別化、十全なシステム整備が不可欠です。差別化を図る上では、高機能なトレーニングマシンの導入や、サウナ施設の併設など、設備面の強化がおすすめです。無人ジムは経営者・利用者双方にとって、安全面の懸念が大きな問題です。万全のセキュリティ対策を行い、安全性をアピールすることが大切です。
無人フィットネスジムは、まだまだ成長を続けていく業界です。長期的な視点を持って、経営戦略を練り、経営成功に近づけましょう。