昨今の脳科学(大脳生理学)の研究成果によって、人間の脳の基本性能は、「3歳」までに、ほとんど決まるということが分かってきました。大脳には140億個の神経細胞(ニューロン)があると言われ、新生児の段階で大人とほとんど変わらない数を持っています。しかしながら、生まれたばかりの新生児は、ニューロン同士の接続(シナプスによる回路形成)がほとんどされておらず、生命活動に関わる領域のみ回路形成がなされていますが、それ以外の領域では未完成の状態です。
前回のレポートで述べた通り、日本の現在の早期教育は「早教育と天才」からスタートしたと言えます。また、「三つ子の魂百まで」(幼児期に身についた習慣や性格は死ぬまで直らない)という諺があるように、古くから早期教育が存在するように、その重要性を経験則として昔の人は知っていたのかもしれません。(なぜ3歳までの教育が重要なのかについては後述いたします。)
近頃、テレビを始めとする多くのメディアで、幼少期に教育を受け、極めて高い能力をもった子供たちやその先生を取り上げた番組や記事を目にすることが多々あるのではないでしょうか。